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インフレ下の賃貸経営を救う「住宅省エネ2026キャンペーン」の活用とは〜冬のお湯トラブルを未然に防ぐ〜

暑かった夏もあっという間に過ぎ去り、秋田市内も少しずつ肌寒くなってきました。朝晩の冷え込みを感じるようになると、いよいよ本格的な冬の足音が近づいてきたなと実感します。

さて、この秋から冬への変わり目に、オーナーの皆様にぜひ気にかけていただきたい「物件の冬支度」があります。それが、空室になっているお部屋の給湯器の「水抜き」作業です。

「水抜き」と聞くと少し手間に感じられるかもしれませんが、秋田の厳しい冬から建物を守るための、とても大切なケアになります。

なぜこの作業が必要かといいますと、真冬に気温が氷点下まで下がった際、給湯器の中や配管に水が残っていると、それがカチカチに凍って体積が膨張してしまうからです。グラスに水を入れて凍らせると割れてしまうことがあるように、氷の力で配管にヒビが入ったり、給湯器本体が壊れてしまったりすることがあるのです。

万が一、こうした凍結による破損が起きてしまうと、残念ながらメーカー保証の対象外となってしまうことが多く、オーナー様の思わぬ出費に繋がってしまいかねません。大切なご資産と経営を守るためにも、本格的な寒さが来る前に、そっとお水を抜いてあげることが安心に繋がります。

■ 放置はするのは危険? 給湯器の寿命「10年の壁」とは

「まだ使えるから」「入居者から特にクレームもないから」とついつい、長年同じ給湯器のまま放置をしてしまいます。 一般的に、給湯器の寿命は「10年程度」と言われています。10年を超えると、以下のような深刻なリスクが発生します。

  • 修理用部品の供給終了
    メーカーは製品の製造終了から約10年間しか補修用の部品を保有していません。そのため、10年を超えてから故障した場合、修理したくても「部品がないため修理できず、本体ごとの交換になる」ケースが非常に増えます。

  • 事故やトラブルの危険性
    経年劣化により、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクや、配管破裂による漏水、電気系統のショートによる漏電・火災などの危険性が高まります。

  • 真冬に突然お湯が使えなくなる
    給湯器は、水温が下がりフル稼働する真冬に最も故障しやすくなります。秋田の厳しい寒さの中で完全故障してしまうと、業者の繁忙期とも重なり、交換工事の順番待ちで「数日間お湯がまったく使えない」という入居者様への多大な不便とクレームに直結してしまいます。

このような事態を想定すると、壊れる前にあらかじめ備えておくことが何より大切です。

■ インフレの波と変化する入居者ニーズ

早めの交換が重要とはいえ、ここ最近の建築資材費や人件費の高騰は、賃貸経営をされるオーナー様にとって頭を抱える問題です。インフレの波が業界を直撃し、新築コストはもちろん、既存物件の修繕費用も年々かさむ一方となっています。急激に進む金利上昇の背景もあり、賃貸経営のキャッシュフロー低下に直面し、今後の事業計画の見直しを迫られている方も多いはずです。

一方で、入居者様もまた、インフレによる生活コストの上昇に悩まされています。特に、電気代やガス代などの「光熱費」は家計を大きく圧迫しています。 その結果、賃貸仲介の現場(お部屋探しのニーズ)では、これまでの「駅近・築浅」といった条件に加え、「断熱性が高い」「省エネ設備(高効率給湯器など)が整っている」といった、毎月の生活コストを抑えられる物件への注目度が急激に高まっています。

■ 「住宅省エネ2026キャンペーン」の活用

「コストを抑えて修繕したいオーナー様」と「光熱費を抑えたい入居者様」、双方の悩みを解決する強力な武器となるのが、国土交通省・経済産業省・環境省が連携して実施している「住宅省エネ2026キャンペーン」です。

インフレ環境下でも安定した賃貸経営を実現するために、残りわずかとなった2026年に上手に活用したい「3つの補助金事業」をご紹介します。

 

  1. 大規模改修の強力な味方「みらいエコ住宅2026事業」
    賃貸物件の新築や、一棟丸ごとの大規模断熱リフォームを検討しているオーナー様にとって、大きな資金サポートとなります。リフォームの場合、アパートやマンションの各住戸が対象となり、外壁・床・天井などの断熱改修や窓改修、省エネ設備の導入などに適用できます。

ただし、1申請あたりの補助額が合計5万円以上になる工事が必要となるため、空室期間を利用してまとまった規模のバリューアップ改修をする方に適しています。

 

  1. 空室対策と退去防止に効く「先進的窓リノベ2026事業」
    既存物件の空室対策として、比較的取り組みやすく費用対効果が高い事業です。アパートなどの集合住宅の各住戸に「二重窓(内窓)の設置」や「ガラス交換」を行うことで、1戸当たり上限100万円(下限5万円から申請可能)の補助が出ます。

窓改修と同一契約であれば、玄関ドアなども補助対象となる場合があります。 秋田の冬に多い「エアコンが効かない」「結露やカビがひどい」といった入居者様の不満は、窓の改修で劇的に改善します。お部屋の快適性を格段に向上させ、空室期間の短縮や退去防止に大きく役立ちます。

 

  1. 高額な給湯器交換コストを削減「給湯省エネ2026事業」
    そして、オーナー様のご負担となる高額な給湯器交換費用は、この事業で賢く抑えることができます。既存のアパート・マンション向けには、賃貸経営の実情に特化した「賃貸集合給湯省エネ2026事業」が用意されています。

従来型の給湯器からエコジョーズなどの高効率給湯器へ交換する際、追い焚きなしで5万円/台、ありで7万円/台(条件により加算額あり)が補助されます。給湯器が10年の交換時期を迎えている物件では、ぜひ積極的な活用をご検討ください。

■ 重要な注意点

補助金を活用するにあたって、気を付けるべきポイントを整理しておきます。

  • 他の補助金との併用・重複ルール
    ご紹介した各事業は、対象建材等の要件を満たせば、同一の工事請負契約であっても併用が可能です。ただし、同一の設備や工事に対する重複受給(二重取り)はできません。また、地方公共団体(秋田県や秋田市など)の独自の補助制度であれば併用可能なものもあるようです。自治体の制度も併せて確認しておくのがセオリーです。

  • 財産処分の制限
    補助を受けた設備は、一定期間、目的外の利用や処分に制限が設けられます。将来的な建て替えや売却の予定が直近でないかなど、中長期的な視点で活用をご検討ください。

  • 入居中物件での工事の段取り
    リフォームや給湯器交換は、居住中の状態でも施工自体は可能ですが、室内への立ち入りや作業時間が発生します。事前に入居者様へ「光熱費が下がり、快適性が上がる工事であること」などを丁寧に説明し、綿密なスケジュール調整を行うことがトラブル防止の要となります。

  • オーナー様ご自身での直接申請は不可
    すべての事業は、国に登録された「住宅省エネ支援事業者」が申請を代行する仕組みとなっています。オーナー様個人で直接申請することはできません。業者に見積もりを取る際は、必ず最初の段階で「2026年の省エネ補助金を使いたい」と明確にお伝えいただき、登録事業者として対応可能かを見極める必要があります。

インフレによるコスト上昇という厳しい局面においては、こうした国の支援制度をフル活用し、賢く物件の価値を維持していくことが求められます。 物件の築年数やターゲット層、将来的な修繕計画と照らし合わせながら、最適な組み合わせを見つけて計画的に進めていきましょう。

キャンペーンの詳細や、ご所有の物件に合わせた具体的な修繕計画につきましては、ぜひお気軽に当社スタッフまでご相談ください。

【参考リンク】
▪️住宅省エネ2026キャンペーン 総合サイト https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/

(担当:小田島、佐々木)